なぜ胡蝶蘭は特別な時に使われるのか

胡蝶蘭が高価な理由
胡蝶蘭は、特別な際に使われるというイメージが強い花です。
例えば新装開店した店舗へのお祝い、昇進や就任、当選のお祝いに並べられているのが胡蝶蘭という場合が多いもの。
そんな特別な時に贈られるものは、やはり高級感のあるもの、金額的に高価なものが選ばれます。
胡蝶蘭もそのお値段は、比較的花の中で購入な品種です。
胡蝶蘭が何故高級なのか、もともと胡蝶蘭の苗は他の植物に比べて高価な品種となっています。
その理由が生育の難しさ。
東南アジアで誕生した胡蝶蘭は温暖で水の多い環境を好みます。
しかもキレイな花に育てるためには、特殊なメリクロン技法という苗生産方法が使われているのです。
加えて生育環境も常に様々に配慮しておかなければならない等、花を出荷するまでのかかるコストが他の花よりも多くあります。
こうした結果、胡蝶蘭は他の種類の植物よりも高価になっているのです。
いつから特別な花となったのか
日本では古来より、伝統や格式、格言といった様々なところに存在する意味を大切にします。
こうした文化も胡蝶蘭を特別なものとした理由の1つなのです。
例えば胡蝶蘭の名前ですが、蝶が舞うように見える蘭なので、この名称が付けられています。
蝶は昔から幸福を運ぶもの、神の使い等とされてもいるのです。
幸福を運び、神仏との縁を持つ蝶の名が付けられている胡蝶蘭は、まさに特別なシーンに最適な花といえましょう。
胡蝶蘭がいつから特別な時に使われるようになったのか。
もともと日本では花を送り合う文化はありません。
皇族が縁のあった臣下のものに花を与えるということはあったものの、お祝いとしての文化ではないようです。
日本で花を贈る文化は、欧米スタイルに影響されたもの。
フランクにお花で気持ちを伝える様式が定着したものなのです。
このスタイルに最適だったのが胡蝶蘭で、それが今でも特別な時に使われるようになった理由といえます。